会長声明・意見

「特定秘密の保護に関する法律」に関する総会決議

平成26年2月7日
山口県弁護士会
1 平成25年12月6日、参議院本会議の採決によって、特定秘密の保護に関する法律(以下「特定秘密保護法」という。)が成立した。

2 当会は、これまでの政府の秘密保全法制整備の動きに対し、平成24年10月18日及び平成25年11月25日に会長声明を発し、政府が想定している秘密保全法制(以下「政府案」という。)は、国民主権の下においては政府が保有する情報は国民共有の知的資源であるとの視点を欠いており、憲法が保障する知る権利や表現の自由をはじめとする国民の基本的人権に対して深刻な制約を課し、報道・取材の自由にも重大な悪影響を及ぼすものであるとして、政府案に対して反対意見を表明した。
 同様の見地から、日本弁護士連合会、全国の単位弁護士会などの法律家団体、報道関係・市民団体や文化人などからも政府案に対する強い反対や懸念の表明がなされた。
しかし、政府・与党は、これらの慎重審議を求める多くの声を無視して、国会への法案提出から40日余りという短期間で審議を打ち切ってしまった。そしてその結果成立した特定秘密保護法においては、当会が会長声明において指摘していた上記のような憲法上の問題点は何ら解消されていない。

3 現在、政府は、特定秘密指定の恣意的運用を防止するとして、特定秘密保護法の施行までに「第三者機関」として内閣官房に「保全監視委員会」を、内閣府に「独立公文書管理監」と「情報保全監察室」を設置することを検討している。しかし、行政機関による特定秘密指定の恣意的運用を防止するためには、少なくとも、個々の特定秘密の指定や管理の是非について検証し、監察することができる、行政機関から独立した公正な第三者機関の設置が必要であり、これらの機関ではその役割を果たすことができるとは到底考えられない。

4 また、特定秘密保護法は、厳罰をもって特定秘密の漏えいを防止しようとするものであるが、特定秘密という概念自体が広範・曖昧なものであるため、罪刑法定主義の点から重大な問題を含んでいる。加えて、特定秘密保護法は共謀、教唆、扇動について実行行為の着手がなくとも処罰の対象としているが、このような処罰対象の拡大は刑事法体系の原則や基本的人権の保障との関係で問題があり、決して容認できるものではない。

5 よって、当会は、政府及び国会に対して、引き続き特定秘密保護法の廃止を求め、その実現に向けて必要な取組を継続することを表明する。
以上