会長声明・意見

現憲法のもとで集団的自衛権行使を容認することに反対する会長声明

平成26年5月27日
山口県弁護士会 会長 松村和明
政府は、憲法改正手続をとることなく、憲法第9条に関する政府の解釈を変更することによって、集団的自衛権の行使を容認しようとしている。
 集団的自衛権とは、一般に「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力を持って阻止する国際法上の権利」と定義されている。
 しかし、このように我が国が、直接武力攻撃を受けていないのに、他国に武力行使をすることを正当化する集団的自衛権の行使を、憲法第9条の解釈として容認することは許されないというべきである。政府自ら永年にわたって、集団的自衛権の行使は、憲法第9条のもとにおいて許容される範囲を超えるもので憲法上許されないとの解釈を一貫して維持してきたのである。憲法第9条のもとで集団的自衛権の行使が認められるとの解釈は、世界の憲法の中でも独自の意義を持つ憲法第9条を死文化させるものといわざるをえない。
 そもそも、憲法は政府をしばることによって人権保障を実現させるものである(立憲主義・法の支配)。憲法の基本原則に関わる条文について、政府の判断で解釈の枠を超えた「改憲」を行うことは立憲主義を踏みにじるものである。
 したがって、現行の憲法第9条の解釈変更により集団的自衛権の行使を容認することは、仮に「限定的」なものであっても、許されるべきではない。
 よって当会は、基本的人権の擁護を使命とする弁護士からなる団体として、現憲法のもとで集団的自衛権行使を容認することには強く反対する。
以上