会長声明・意見

衆議院が安全保障法制に関する法案を可決したことに抗議し,廃案にすることを求める会長声明

平成27年8月4日
山口県弁護士会 会長 清水弘彦
衆議院は,2015年(平成27年)7月16日に,本会議において安全保障法制に関する法案(自衛隊法,武力攻撃事態対処法,周辺事態法,国連平和維持活動協力法等10の法律を改定する法案及び国際平和支援法案。以下,「本法案」という。)を,民主党など5野党欠席のもと,与党自民党,公明党等の賛成多数で可決した。
 当会は,本年6月10日,基本的人権の擁護を使命とする法律家の団体として,本法案の違憲性を強く訴え,本法案による安全保障法制の改定に強く反対するとの会長声明を発表している。
 本法案は,平和主義を定めた憲法前文及び第9条に違反し,平和国家としての日本の国の在り方を根底から覆すものであり,かつ,これらの憲法の条項を法律で改変するものとして立憲主義の基本理念に真っ向から反するものである。さらに,憲法改正手続を踏むことなく憲法の実質的改正をしようとするものとして国民主権の基本原理にも反するものである。
 本年6月4日,衆議院憲法審査会において,参考人として招致された憲法学者3名(与党推薦の参考人も含む。)が揃って本法案を「違憲」と述べたのは,本法案が憲法上の問題を含んでいることを端的に示している。
 よって,当会は,基本的人権の擁護を使命とする法律家の団体として,本法案の違憲性を強く訴え,衆議院が本法案を可決したことに強く抗議し,改めて国会において廃案にすることを求めるものである。